宮神輿が繋ぐ絆

「里帰り」した諏訪神社宮神輿

絹市で栄えた江戸時代の藤岡に、呉服問屋の三井越後屋(現三越)が出店の礼として奉納した諏訪神社の宮神輿は、過去と現代を結ぶだけでなく、地域と地域をもつなぐ存在であります。
平成25年には、修復前の八坂様が神田祭、室町一丁目祭に参加。大修理後の平成27年に二度目の参加を果たしました。
江戸時代から始まった藤岡と三井越後屋の縁は、諏訪神社の宮神輿が「里帰り」をすることにより、現代の日本橋、中央区との交流へ引き継がれ、地域振興、文化交流の大きな絆になっております。

神田祭は、神田明神(東京都千代田区)で二年に一度行われる祭礼です。
山王祭、深川祭と並んで江戸三大祭りの一つとされます。江戸時代には45本前後の山車が曳き出され、祭礼行列が江戸城内郭まで入り「天下祭」と呼ばれました。現在では、鳳輦や宮神輿の渡御のほか、山車や武者行列などの附け祭、108つの氏子町会のお神輿の巡行で大いに賑わいます。京都の祇園祭、大阪の天神祭と共に日本三大祭りにも数えられるお祭りです。

市民の宝 次世代へ

1950年代に祭りから姿を消した諏訪神社の神輿が復活したのは2003年。氏子の青壮年層を中心として御神輿保存会実行委員会が結成され、絹市で栄えた歴史をまちづくりに生かす努力が始まりました。しかし、その道のりは平たんではなく、神輿渡御には少なくとも100人超が必要ですが、少子高齢化による住民減少で担ぎ手が確保出来ず、2008年から4年間、「藤岡まつり」への参加を見送ることもありました。そんな中、同委員会は伝統を守るため、担ぎ手を市内外から公募し、2012年に祭りへ復帰しました。

また、神輿を次世代へ継承するため、藤岡市内の高校生に神田祭と藤岡まつりへの参加を呼び掛ける取り組みを始め、2015年の神田祭には市内の3高から計60人の高校生が参加しました。
次の100年を見据え、保存会は次代の担い手育成と神輿を活用したイベントを行っております。
ベテランと若手が入り交じって神輿を担ぐ。若手だった者が次第にベテランとなり、次の世代の若者と神輿を担ぐ・・・
諏訪神社の宮神輿をとおして地域の伝統、年齢を超えた絆が繋がれております。

PAGE TOP